蔵干とは?
蔵干は「支中蔵干」とも呼ばれ、各地支の内部に秘められた一つあるいは複数の天干を指します。地支は表面上は一つの五行属性を表しますが、その内部には実は複数の天干が蔵されており、これらの天干が地支の持つ五行のエネルギーの構造と強弱の分布を決めています。
たとえば地支の「寅」は五行では木に属しますが、内部には甲木(本気)・丙火(中気)・戊土(余気)の三つの天干が蔵され、それぞれ異なる割合と力を持っています。
蔵干表
| 地支 | 本気(令) | 中気 | 余気 |
|---|---|---|---|
| 子 | 癸水 | — | — |
| 丑 | 己土 | 癸水 | 辛金 |
| 寅 | 甲木 | 丙火 | 戊土 |
| 卯 | 乙木 | — | — |
| 辰 | 戊土 | 乙木 | 癸水 |
| 巳 | 丙火 | 庚金 | 戊土 |
| 午 | 丁火 | 己土 | — |
| 未 | 己土 | 丁火 | 乙木 |
| 申 | 庚金 | 壬水 | 戊土 |
| 酉 | 辛金 | — | — |
| 戌 | 戊土 | 辛金 | 丁火 |
| 亥 | 壬水 | 甲木 | — |
蔵干の働き
- 十神計算の基礎:日干と蔵干の間にも同じく生剋の関係が成り立ち、そこから各地支内部の十神を推算します。これは地支の性質を判断する鍵となります。
- 通根の根拠:天干が地支の蔵干の中に同気を見出すのが「通根」であり、通根が深いほど天干の力は強くなります。
- 透干の前提:蔵干が大運・流年によって引動されたのち、天干と呼応すれば「透干」が成立し、力は大きく増します。
本気・中気・余気の違い
- 本気:力が最も強く、地支の五行の主体を占め、月令の司令と深く関わります。
- 中気:力は中程度で、多くは月令の分野(区分された時期)における司令の気です。
- 余気:力は最も弱く、前の節気の残存する気です。
本気が天干に透出すれば命式への影響は最大となり、余気の透出は影響こそ小さいものの、やはり無視できません。
蔵干の数を決める要因
十二支の蔵干の数は一様ではなく、これは地支の方位における「正/隅/庫」の位置づけと直接関わっています。
- 四正(子午卯酉):四方の正位に位置し、気は最も純粋で、各支は本気のみを一つ蔵します(午はやや特殊)。エネルギーが集中して雑りがありません
- 四隅(寅申巳亥):四つのかどの偏位に位置し、季節の転換の要所です。蔵干が最も雑多で(各支は三気を含む)、エネルギーの層が豊かです
- 四墓庫(辰戌丑未):土の支であり五行の庫を兼ね、蔵干の構造は正と隅の中間にあり、収蔵の機能を併せ持ちます
まず四正・四隅・四墓庫の位置づけを把握し、それから蔵干表を見れば、法則は一目瞭然です。